新島の自然環境について紹介します。
地理
新島は東京から南に約160キロメートルの位置にあります。島の面積は23.64平方キロメートルで、大きさは東西約3.1キロメートル、南北約11.5キロメートルと南北に細長い形をしています。島の北部には新島山(231メートル)・阿土山(202メートル)・宮塚山(432メートル)が、南部には石山(234メートル)・丹後山(283メートル)・大峯(300メートル)といった山があり、その間に挟まれるように平地が広がります。
集落は2か所あり、島の中央部に広がる平地が本村地区、北西部にわずかに広がる平地が若郷地区です。その間を都道211号線が結んでいます。
島の周辺には有人島の式根島と無人島の鵜渡根島・地内島・早島があり、これらすべてが新島とおなじ東京都新島村に属します。
地質
新島は海底で噴火した火山の一部が海面上に現れてできた火山島です。新島は少なくとも十数個の火山によってできていると考えられており、そのどれもが今までに1回しか噴火していない火山です。
これらの火山のうち、最も古い火山がいつごろから活動を開始したのかははっきりと分かっていませんが、10万年前から数万年前くらいと考えられています。
最も新しい噴火は886(仁和2)年の向山噴火と言われています。地理の項では向山という山の名前が出てきていませんが、南部の石山や大峯のあたりの火山をまとめて向山噴火と呼んでいるようです。また新島で採取した木片の放射性炭素年代測定でも西暦830年±75年という年代を示したことから、このように考えられています。[1]
新島の火山は流紋岩質のマグマの活動によって噴火したもので、同じ伊豆諸島に属していながら玄武岩質(一部安山岩質)のマグマの活動によって噴火した大島や三宅島とは異なります。
気候
新島は暖かい黒潮の影響により2018~2022年の年平均気温が18.5℃と東京の16.6℃よりやや暖かく、年較差・日較差が小さいことが特徴です。平均気温が最も高い月は8月で約28℃、最も低い月は2月で約10℃で、最低気温が氷点下まで下がることはあまりありません。このため一年中農作物の栽培が可能です。
降水量は2018~2022年の平均降水量が2,322ミリメートルと東京よりも多く、水資源に恵まれています。
また10月下旬ころから強い西風が吹くようになります。島ではこの風のことを「西ん風」と呼びます。
参考資料
- ^一色直記「新島地域の地質」『地域地質研究報告(5万分の1地質図幅)』地質調査所 1987 p.85