建物以外の設備

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新島では建物以外の設備にもコーガ石を使っていました。その一部を紹介します。

塀は敷地などの境界に設けられる囲いの一種です。垣や柵と異なり、内部から外部の見通しが効かない壁状のものを塀と呼びます。

塀は区画や防犯といったものが主な目的として挙げられますが、新島の場合は防火や防風に重点が置かれています。

このため、他の地域では板を張った板塀やコンクリートブロックを積んだコンクリートブロック塀などが多く見られますが、これが新島ではコーガ石を積んだ石塀になります。方角も風の影響を受けやすい西側から南側にかけて設置されます。

その多くはコーガ石をモルタルなどで接着して積んでいますが、簡単なものではコーガ石をただ積み上げたものもあります。ほかにも石倉など附属屋の外壁に塀をつなげることで、附属屋を塀の一部のように使っているもの見られます。

また、塀は道路と敷地の境界に多く設けられることから、景観に与える影響は大きなものがあります。

天水受

天水とは雨水のことで、雨水を溜めておくための容器を天水受と呼びました。

雨水は消防用水(消火用水)として使うために溜めておきました。新島は伊豆諸島の中では比較的水に恵まれていると言われていますが、それでも水が貴重であることに変わりありません。

効率よく雨水を集めるために、雨が降った時は建物の軒から天水受までの間に樋を架けたと言います。

薪置場

文字どおりまきを保存するために置いておくところです。壁に小さな屋根を取り付けて、その下に薪を置いておきました。

今のように電気やガスがない時代、薪は食事を作ったり風呂を沸かしたりといった日常生活に欠かせない燃料であり、不足しないようにしておくことは日々の暮らしを営むうえで重要なことでした。

薪置場はその役割からカマヤカタの近くに作られました。