前田家住宅外便所

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新島で最初に登録文化財として登録されたコーガ石造建造物です。

解説

この建物は屋根・壁ともにすべてコーガ石を組み上げて作られています。

建物は敷地の西側に建てられており、北側に続く石塀とともに防火壁としての役割を担っています。

壁は、地盤面から高さ0.9メートル(3尺)の位置までは厚さ0.18メートル(6寸)・長さ0.3メートル(1尺)の石で、そこから上は厚さ0.15メートル(5寸)・長さ0.3メートル(1尺)の石を積んであります。

屋根は半円形のヴォールト屋根で、壁との境にサイマ・リヴァーサ[1]風のコーニス[2]と呼ばれる装飾を回してあります。屋根の中央には換気用のやぐらが載り、壁境と同じようにコーニスが回っています。また南側の窓庇も同じように半円形の形状にしてコーニスをつけています。

コーニス
サイマ・リヴァーサ

1936(昭和11)年の地震にも倒れなかったと伝えられるこの建物は、島内の石工、植松源七によって建てられたと伝えられています。また、この石工が活躍した年代が大正時代から昭和前期(戦後)までであることから、建築年代は大正時代中期と推定できます。

また、敷地は西側の村道に面し、村道からはやや下がったところに建物の地盤面があります。これは、西側から吹く冬の季節風を避けるための工夫です。

概要

所在地
新島村本村二丁目3番
構造
石造平屋建
規模
8.8平方メートル
建築年代
大正時代中期
登録年月日
2004(平成16)年2月17日

注釈

  1. ^壁の上部につく水平な帯状の装飾。
  2. ^コーニスの断面が波型のもののうち、上が凸面、下が凹面で作られたもの。