新島から各地へ
かつてコーガ石は新島村の一大生産品であり、国内各地に移出されていました。戦前は日本の植民地などにも輸出され、工業の近代化を下支えしてきたと言われています。
コーガ石の特性である高い耐酸性や耐火性を要求する近代工場では、さまざまに利用されました。代表的な事例としては、近代農業を支えてきた化学肥料を製造する過程で、材料となる物質を攪拌するための槽などに使われたと言います。また、煙突の内張などにも使用されました。
そうした使われ方をしているコーガ石は見ることができませんが、ふと街中を歩くと、建物の外装材として使われているものに出会います。建物をデザインした設計者の意図なのか、あるいは施主の要望なのか。いずれにしても表の顔を創る素材として使われています。そんなコーガ石を使った建物を紹介します。